【地域を編集する学校 受講生記事】1日の“おわり”と“はじまり”は新富町の老舗民宿「初音」から

「宮崎県」というのは、九州北部に住む私にとって、あまり馴染みのない場所だった。

同じ九州人であっても、方言もなんだか違うし、とにかく遠い。

そんな宮崎県の児湯郡新富町を訪れるもの、2度目になる。

西都インターを降りて、のどかな風景を眺めながら車を走らせること約10分。

今回は、新富町に宿泊予定。ゆっくりと町を見てまわろうと思う。

滞在場所は「民宿 初音」さん。

歴史ある民宿で、40年もの間、町の内外の人が訪れている場所だ。

そして、わたしにとって、人生はじめての民宿ステイ。

どんな滞在になるのかな・・・と少しソワソワしながら足を運んだ。

いざ、「民宿 初音」へ!

富田浜(とんだはま)からすぐ、素敵な入り江のそばに佇んでいる。

「民宿 初音」

はじめに少し見学させてもらった。

食事をするレストランスペースは、カフェのようなおしゃれな雰囲気。

テラスに出てみると、まだ寒いけど、心地よい風が吹いている。

次に、レストランを出て、宿泊する部屋のある建物の方に行ってみる。

なんだか、おばあちゃんの家に来たような感じで、なつかしい。

2階の部屋からは、さっきの素敵な入り江もみることができる。

夕陽に照らされて、これまたとても素敵。

部屋を案内してくれたのは、「瀧口 初美」さん。

民宿のおかみさんだ。

瀧口さん:「こっち(部屋)は昭和、あっち(レストラン)は平成!」

とユニークな言葉で民宿を紹介してくれた。

町のことをわたしにいろいろと教えてくれる、生まれも育ちも新富町の方だ。

レストランでの食事は、地元の新鮮な野菜を使った料理はもちろん、お茶まで新富町産のものが用意してあった。

どうやら、新富町はお茶も有名のようで、瀧口さんいわく、焼酎を割るなら、「ゆめさぼう!」とのこと。焼酎をお茶で割るなんて、やはり同じ九州であっても初耳だ!

そして、食事を済ませると、レストランの入口でこんな割引券をを発見!

なんとラッキーな!しかも、これもまたとてもめずらしい温泉のようで、さっそく、新富町温泉健康センター「サン・ルピナス」へ向かった。

新富町滞在1日目。

正直、こんなにもたくさんのコンテンツがこの町に揃っているなんて思ってもみなかった。

その日あった出来事を仲間で振り返りながら、話が盛り上がり、

ついつい夜更かしをしてしまった。まるで大人の修学旅行だ。

食事に飲み物に、温泉、そしてもちろん宿と、新富町を満喫し、大満足で幕を閉じた。

2日目の朝。

朝日がさんさんと差し込んでいる。

そろそろ起きなきゃ、とむくむくと起き上がり、朝食へ。

おかわりをしてしまうほどの美味しい朝食を終えると、

瀧口さんからまた、

「そこはすぐ浜ですよ。アカウミガメが産卵にくるんです。散歩してきてみたら?」と魅力的な言葉を聞いた。

さっそく朝の散歩に向かった。

最高な「朝さんぽ」

海を目指し、てくてく。

たどり着いたのは、まさに大海原!!

2度目の、そして2日間の新富町滞在。

もちろん全てではないが、いろいろな町の魅力を見ることができた。

ここには書ききれなかった、2日目には、朝市や、新田原古墳群、座論梅にも足を運んだ。

振り返ってみると、瀧口さんの発するコトバのすべてに新富町の魅力が全部詰まっていた。

魅力的な場所や、ものを紹介していただいたことはもちろん、

彼女が語る新富町は、歴史が入り混じっており、いろんなものが混在している。

そして、それをわたしはその少しのカケラを体験することもできた。

そう、結果的にわたしは、1日目に引き続き、2日目も瀧口さんのおすすめのところへ足を運ぶことになったのだから。

いわば、彼女がわたしの新富町コーディネーターになってくれたのだ。

旅館やホテル、ゲストハウスなど、いろいろな旅の拠点となる場所はある。

今度はぜひ、地域に根ざした歴史ある民宿に泊まってみてはどうだろうか。

必ず、そこには魅力的な人がいて、その人のフィルターを通した、

その町の魅力的な「人」や「場所」を自然と体感することができるだろう。