

音楽とBBQで最高の夜♪ 「るぴーモール野外音楽祭」は口蹄疫からの復興イベントだった!
2019年10月19日(土)、新富町富田のさくら南公園。芝生の広場にずらりと並ぶ約70台のバーベキューセットとテーブル。そして常設ステージには照明や音響設備が組まれ、本格的な野外ステージが設けられていました。
この日は、「るぴーモール野外音楽祭2019」(新富町商業協同組合主催)。1テーブル6人ほどで利用できる炭火の焼き台で、バーベキューを楽しみながら、ステージで繰り広げられる音楽の生演奏やダンスなども楽しめるイベントです。県産の牛・豚・鶏肉のお肉セットが付いて1テーブル10,000円! 飲み物や焼く材料は自由に持ち込みOK! 今年も新富町内外から500名ほどの参加者で賑わいました。
富田小学校金管バンドの演奏からスタート! 会場のあちこちで響く「乾杯〜♪」
夕方16時の受付スタートから徐々に指定されたテーブルにつく参加者たち。セットのお肉をもらって、火のついた炭をセットしてもらい、着々とバーベキューの準備が進みます。ビールやソフトドリンクなどをクーラーボックスで冷やしつつ、もちろん焼酎も持参。このイベントの良さにハマって、毎年参加しているのか、みなさんかなり用意周到に準備してきている様子でした。

司会者によるアナウンスが入り、ステージイベントが始まりました。
トップバッターは富田小学校金管バンド、続いて富田中学校吹奏楽部。誰もが知っている曲を中心に、会場全体を盛り上げる軽快な生演奏♪ 心地いいですね〜。

バーベキュー会場に目を移すと、新田原基地に勤務する自衛隊員のみなさんが準備真っ最中。炭の火加減もちょうど良くなってきたところで、お待ちかねの「かんぱーい!」。日頃の疲れを吹き飛ばすかのように、仲間たちとワイワイ盛り上がっていました!


こちらのグループは、高鍋町から来た職場の同僚グループ。

初参加ということですが、大きな殻付きの生ガキを持参。お肉より先に、炭火の上へ。これは間違いなく美味い! 高鍋はカキも有名ですもんね。さすが!!
陽が落ちるにつれ、会場は満席。お肉のおいしそうな香りが公園全体、いや街全体に広がっているのでは?というほどの大バーベキュー大会になってきました。ステージでは、自衛隊バンドのノリの良い演奏が始まりましたよ〜。

今年5月に新富町とスポンサー契約を結んだJFLサッカーチーム「テゲバジャーロ宮崎」もイベントに参加。グッズ販売やステージでの大抽選会なども行われ、みなさん時間を忘れて楽しいひとときを満喫していたようです。
「口蹄疫」を忘れない
主催の新富町商業協同組合は、公園に隣接するるぴーモール虹ヶ丘商店街に店を構える19軒からなる組合です。この最高に楽しいイベントは、一体どんな目的で開催しているのでしょう。9年前のイベント初開催の頃を知る前・理事長、岩坂浩義さんに話を聞きました。
—いつから、何をきっかけに始まったイベントなんですか?
「きっかけは2010年の“口蹄疫”。宮崎、特に児湯地区は通行制限がかかり各種イベントも中止となるなか、私たちの商店街にも人が来なくなってしまいました。それまで、売り上げがあんなに落ちたことはなかったですよ。何とかせんといかん、と本気で思いました。その年の8月27日に、当時の東国原県知事が口蹄疫の終息宣言を出しましたが、冷え込んだ商店街や農家さんたちを盛り上げるため、その1週間後にこのイベント開催を決定しました。県内で最速だったと記憶しています」
—そうだったんですね。口蹄疫で苦しんだのは畜産農家さんだけではなかったのですね。
「はい。だから終息宣言後すぐに、宮崎県産の牛、豚、鶏肉でバーベキューを楽しんでもらい、宮崎の肉は安心、安全だとPRするためのイベントを開催しました。児湯地区に足を運んでもらい、お肉を美味しく食べてもらうという、年々少しずつ形は変わっていますが、音楽と肉を楽しむイベントとして定着してきましたね」
—口蹄疫からは復興したと思われますが、今も続ける理由は?
「今は地域の方たちに楽しんでもらえるイベントということで、それでいいと思うんです。ただ、多くの家畜が処分され、農家や地域の人たちがダメージを受けた口蹄疫のことは、忘れないでほしいですね」
