同じ模様が両面に!?土を重ね、織り成す繊細な模様は『彩工房』の魅力

 宮崎県新富町にある陶芸工房『彩工房』。「練り込み」と「たたら作り」という技法で作る器には、薄くて軽い器の両面にくっきりとした同じ模様が表れます。食卓や日々の生活をさりげなく彩り、長く大切に使いたくなる温かみにあふれています。

表裏に現れる鮮やかな模様の理由は?

モノトーンの不規則な市松模様はシンプル&モダンな雰囲気

 繊細なストライプや市松模様など、器の両面にくっきりとした絵柄が楽しめる彩工房の器は、色の異なる粘土を組み合わせて模様を作る「練り込み」という技法を用いています。サンドイッチの断面のように、出来上がりの模様を頭に描きながら、繊細かつ丁寧に粘土を重ねていきます。その重ねた粘土を薄くスライスして、器の型に合わせて成型。ろくろを使わないこの技法は、「たたら作り」と言われるものです。同じ模様で同じ形の器ができるのは、この2つの技法が成せる技なのですね。

リビングの窓辺でくつろぐ長友さん

 彩工房を営むのは、同町で生まれ育った長友聖子さん。普段使いの器を手掛けて30年以上。柔らかな白さを生み出す半磁器土を使い、自分で調合するなど釉薬にもこだわります。薄くて軽く、さらりとした手触りと、軽やかな雰囲気のデザインが特長です。

30歳で工房設立、独学で修業を積む

 20歳で出合った陶芸を趣味として楽しみながら、会社員として働いていた20代。「何もかも手作業の時代。アナログだけど、勢いがあるいい時代でした」。猛スピードで進むデジタルの世界を肌で感じながら、陶芸の世界へ。

 まず工房を立ち上げてから、陶芸に没頭。独学と研究を重ね自身の作風を作り上げていきました。「工房のにおい、空気感が好き。落ち着きますね」と話す長友さんの工房は、作業台を真ん中に置き、周囲にさまざまな道具類が使いやすく収納されています。

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定期工房展やイベントで展示販売

 自宅兼工房は、新富町でも海に近い平地の住宅街にあります。大きな空が広がり、静かで心地よい場所。年に■回ほど工房で定期展を開催するほか、宮崎ブーゲンビリア空港などのイベントにも出店することもあるので、タイミングよく彩工房の器に出合えるかもしれません。

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ふるさと納税返礼品でも出合える

 彩工房の器が新富町ふるさと納税の返礼品となり3年目。「ふるさと納税を通じて、私の器が、私が一生行くことがないかもしれない場所へと旅立つのは不思議な感覚ですね。いってらっしゃい、という気持ちで送り出しています」。手作業なので仕上がりに多少の違いは生じますが、まぎれもなく世界に1つだけの器である証拠。一つひとつ丁寧に思いを込めて、新富町の自宅兼工房から作品を生み出す毎日です。

ふるさと納税返礼品の一つ、かけごはん碗

手びねりの陶芸体験も予約可能

 「自分でも陶芸をやってみたい」という方に朗報! 予約をすれば、手びねりによる陶芸体験も受付中です。彩工房で土に触れ、手しごとを味わう時間もなかなか贅沢なひとときです。