

オランダで学んだ知識で先進的な農業にチャレンジ!
農業の“の”の字も知らずにオランダの農業研修へ
出口さんは高校卒業後、農業の知識も全くないままオランダに渡り、1年間の農業研修を受けました。もともと実家が農業していたことから後継ぎとして農家の道に入ったそうで、帰国とともに就農。両親が用意したというハウスは天井がとても高く大きなタイプで、経営にあたっては単価の高い青果を作らなければ、と考えた出口さんは、オランダで学んだミニトマトを選びました。
巨大なミニトマトの木!
出口さんの栽培方法は、チューブを使って二酸化炭素を流し、光合成を促進させる機械を使うなど最先端。栽培方法も、植物の生長に必要な養水分を液肥として与える珍しい「養液栽培」も取り入れており、さらに普通の養液栽培とは違って苗を天井に届きそうな約3mほどの高さにまで伸ばし、まるでブドウの実のようにミニトマトを実らせるのです。苗は全長10~15mまで伸びるためストレスなく育つほか、スタッフも座りながら作業できるので体への負担が軽減でき、収穫も効率よく進められるそう。「ところどころ木が折れている部分があっても、皮一枚つながっていれば何の問題もありません。葉や茎の付け根から出るわき芽を土に植えるだけで新しい芽が出てくるくらい、トマトは強いんですよ」と出口さんは話します。
自分にあう作物とは
両親はミニトマトではなくピーマンやメロン、パプリカを栽培していたそうで、帰国して初めて栽培したのはパプリカだった出口さん。そこから先述のように採算性を考えてトマトに切り替えてからは、大玉トマトを約1年、続いて中玉トマトを約2年、さらにミニトマトを約9年栽培して今に至ります。収穫や手入れは6人のスタッフで担っているものの、管理は出口さん1人。「手が足りない今の時期はさすがに忙しいですが、それでもミニトマトを育てるの本当に楽しいですよ!」と、田口さんは笑みを浮かべます。
ハチの働きは人間以上!?
出口さんのミニトマトはトレモロという品種で、オランダの苗を取り寄せて栽培しています。寒くなってくると味がより締まっておいしくなるというトマトは、マルハナバチによって受粉されたもの。この日(9月)のハウスの中でも、10匹のマルハナバチが足に黄色い花粉をつけて働いていました。「1匹のマルハナバチは約1,000個の花を飛び回って受粉しています。うちのハウスには約6000本の苗があるのですが、あっという間に受粉してしまうんですよ。人間よりも働くよ!」と笑う田口さん。8月中ごろの定植以降、害虫や病気と懸命に戦った末の収穫ですから、喜びもひとしおです。
「農業は、天候の変化に大きく左右される仕事。特に、梅雨や台風の時期のわずかな湿度の変化も、トマトの品質に影響が出てしまいます。それだけに湿度や二酸化炭素の調整、管理は大変ですが、努力したぶんだけ成果につながりますし、失敗も自分次第。楽しくて仕方ないですよ」
新規就農者も率先して受け入れている出口さん。取材時も東京から学生を受け入れていました。「面積を増やしながら、安定してお客様のニーズに応えられる作物を多品種に渡って栽培したいと考えています」という出口さん。繁忙期だけでなく、1年を通じて人材を雇用できる体制をつくって、将来の農業を担ってもらえるようにしたいと力強く語ります。
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