逆境フルスイング やきとり女将の挑戦 ~もち米鶏しゅうまい「鶏鳴」誕生秘話~

すべては口蹄疫から始まった

2010年。みなさんは口蹄疫の猛威が宮崎県を襲ったことを覚えていらっしゃるでしょうか。牛や豚など家畜が次々に感染し、およそ30万頭が殺処分されました。口蹄疫による被害は畜産関連産業のみにとどまらず、観光や商工業等、多方面に広がり、県内経済への影響は、約2350億円に及びました。(※宮崎県口蹄疫復興メモリアルサイトより)

新富町で30年以上続く焼き鳥屋「やきとり大将」もまた口蹄疫の影響に苦しんでいました。お客さんが来ない。女将はこれをきっかけに、商いを続けていくには、「店に足を運んでくれるお客さんに焼き鳥を提供するだけではダメだ、もうひとつ強い柱がいる」と思いました。そこから女将の挑戦が始まりました。

宮崎県新富町で30年以上続く「やきとり大将」

 

イベント出店 新事業のきっかけを掴む

2012年。女将は新富町の商工会女性部としてMRTグルメコンテストに出店しました。そこでは野菜の町・新富町の16種類の野菜とせせりカツカレーを売ります。しかしその時に、季節で野菜が変動することに気づき、身をもってご当地グルメを作る厳しさを知ったそうです。材料は季節に関わらず安定して供給のあるものでなければお客さんに迷惑をかけてしまうと気づき、この学びが後の商品開発に生かされます。

2013年。まつり新富にてS1グランプリが開催されました。そこで女将は蓮根を入れたもち米鶏しゅうまいを出しました。出店者たちがグランプリを狙う中、女将は一人別の目的を持って参加しました。ニーズがあるか試したのです。どんなお客さんが買いに来るのか、おかわりに来るのかデータを取りました。

鶏鳴:やきとり大将のもち米鶏しゅうまい

 

もう一つ。誰でも作業できる仕事の流れを作りました。その場で調理していては無駄だと。売ることに徹するために、温めるだけにして売りました。途中、売れないときがあっても女将は値段を下げませんでした。次があるから。結果、1日で400セット、20万円の売上を達成し、新規事業のきっかけになりました。

「にっぽんの宝物」グランプリ受賞

2016年。女将は「にっぽんの宝物」セミナーに参加します。これは(株)アクティブラーニングが2009年から取り組んでいる商品開発セミナーからコンテストへ至るイベントで、毎年グランプリが選ばれています。女将はそのとき鶏つくねのしょうゆ味を持って行きました。そこでは率直なフィードバックが得られます。

女将は業務用でも家庭用でもよく可もなく不可もないものを選んで持って行ったのです。ですがそこで「普通じゃダメ」だと気づきます。もう一つ。しょうゆ味で肉そのものの味が分からないと言われました。高級じとっこを最初に食べたときに肉の味が分からないなんて、それじゃダメだなと女将は思います。

同じセミナーに参加していたのが、新富町でいっしょに頑張っているキムラ漬物の木村社長でした。女将は木村社長の「ぬか漬けたくあんを次の世代に伝えていかないといけない」という言葉を聞いて、衝撃を受けます。ものづくりをする人はこんな気持ちでやっているのかと、その職人魂に感動したのです。

女将はキムラ漬物のたくあんを中に入れてみようと思いつきました。作ってみて木村さんに最初に食べてもらいました。その場にいた職人の方々から「なんでこんなにいい肉をひき肉にしたのか」と言われました。しかし、女将はあえて作っていったと言います。いいものでいいものを作りたいという思いです。

女将は言います。商品にオリジナル性を出すのは名前だと。名前で商品に息吹を吹き込むと。女将は最初から宮崎・日本の食文化を世界へ発信するつもりでした。そこで、鶏が食べられない人にすぐに鶏を使っていることが分かるようにと、また宮崎は神話のふるさとだから神話に関連した名前をと思いました。

もち米鶏しゅうまい「鶏鳴」の誕生です。この名は天岩戸の神話からもらいました。こんな名前をつけていいのか、おこがましくないかと知り合いの神主さんに相談した上でつけました。女将は周りへの配慮を忘れることがありません。S1グランプリのときも、にっぽんの宝物のときも、常に周りに感謝しています。

「にっぽんの宝物」JAPANグランプリ受賞

 

結果、「にっぽんの宝物」では見事グランプリを受賞しました。じとっこ、ぬか漬けたくあん、十穀米など、地元の食材を用いて「にっぽん」・「健康」をPRしたこと、食材が互いの味を引き立て合っていること、冷めても美味しいことなどが評価されての受賞でした。

「製品」から「商品」へ 売るための工夫

製品ができてからが本当のスタートでした。女将は普段飲食店を営んでいます。料理はできたてでお出しするのが満点の状態。自分がいない場所でどんな風になるのか、万が一冷凍焼けでもしたらと思うと辛くてきつかったと。どうやったらお客様のもとへちゃんとした商品として届くかと試行錯誤しました。

そのあとが勉強の始まりだったと女将は振り返ります。売るスキルがなかったと。女将は最初、出張やお土産などビジネスシーンで使ってほしいと思っていました。しかし、お客さんを見ていると、女性で美に対する意識が高い人が買っていきます。女将は途中で気づきました。売ってたらいかんと。

売るのではなくて、伝えないといけなかったんだ。この商品がどんな風に生まれたのか伝えないといけないと。選ばれるためには商品説明ができないといけないというアドバイスももらいました。そして、こうなったら私が私に売ろう、と決めます。私が買いたいと思うように、とデザインも変えました。

ふるさと納税商品:もち米鶏しゅうまい「鶏鳴」

 

デザインを変える、設備投資をする。その度にお金がかかります。しかし女将はひるみません。覚悟を決めて、どう前に進むか考えます。「補助金とか待ってたら前に進めない」と女将は語ります。本当に欲しいものはいま買わないとダメと、ほとんど自費で進めました。専用の冷蔵庫だって買いました。

一番大事なのはSNS」と女将は言います。苦しいことも嬉しいことも全部流しているから色んな人が応援してくれる。気持ちの支えにもなっていると。ひとりでコツコツするのも大事だけど、こういうことはすごく大事だと。フィードバックをもらったらきちんと受け入れる。その度覚悟を決めて挑戦するのだと。

逆境はチャンス 女将に学ぶ人生訓

女将は口蹄疫という大きな逆境を「どう前に進むか」と考え、チャンスに変えました。災害の多い日本では思わぬ逆境に立たされることも少なくありません。しかしそこをどう乗り越えるか。やきとり大将の女将が挑戦する姿から、私たちは多くのことを学ぶことができるのではないでしょうか。

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