日本のズッキーニの施設園芸は、宮崎県新富町から始まった!!
ズッキーニの施設園芸のはじまり!
宮崎県の新富町で高橋さんがズッキーニの施設園芸を始めたのは、昭和55年頃。
当時、髙橋さんはJAに勤めており、見た目も味も検討がついていないズッキーニを宮崎県で施設園芸という栽培方法で、日本で初めて導入する事となった。露地栽培では長野県や千葉県でズッキーニを作っていたが、日本でビニルハウスを使って本格的にズッキーニを栽培する事は、初の試みであった。髙橋さんは、二人の農家さんと協力して、ズッキーニを栽培する事となったので、まずは市場に行ってどの程度のものを作れば良いのか調査した。市場には、メキシコ産のズッキーニがあったが、曲がっていたり、小さく、鮮度も悪く、見た目もカボチャなのかキュウリなのか検討もつかない具合のものであった為、髙橋さんは、なんじゃこりゃと思ったそうだ。
ズッキーニの育て方…
ズッキーニのハウス栽培方法は分からなかったが、チャレンジして花を咲かせることに成功した。そして、咲いてる花を見たとき、キュウリかカボチャの合いの子かなと推測できたので、肥料選定や育てかたなどカボチャと同じ方法で栽培し始め、本格的に取り組んだ。そして、ズッキーニをうまく作れる見通しがたった頃、せりの状況を見てどのようなものを出せば良いか判断する為、生産者と視察やズッキーニを出品しに大阪や東京の市場へ行脚した。その時、髙橋さん達は市場から「ズッキーニは、おいしくなく、あれはなんともないです。」と言われたそうだ。
おいしいズッキーニを育てることとは
なんとか、試行錯誤しながら国産のズッキーニを作ることができるようになったので、再度、東京の市場に出品した。結果、輸入品と比べると味は変わらないが、形も色も綺麗で鮮度が良いことから、200円から300円くらいの高値で取引され、市場でのズッキーニの評判が良くなった。ところが、ズッキーニの消費量は急激に増えてきたが、単品で食べても味は特に特徴がないし、消費者は、おいしい食べ方もわからなかった。その結果、市場に多く出回ると値段が安くなったり、少なくなると高値になったり価格に変動が生じるので、生産者も困っていた。およそ今から10年くらい前までこのような状況であったが、イタリア料理に使いたいという消費者がでてきたり、ピザの具に使うようになるなどと消費者が新しい食を開発したことで、消費量も安定し、現在は価格も平均的で落ち着いている。ズッキーニは、そのままでは特に味はないが、味付けして食べるとびっくりするくらいおいしい。髙橋さんは、「まだまだいろんな食べ方があるんですよ!!」と仰っており、肉料理との付け合わせが抜群に良くて、ズッキーニを輪切りにし、肉と一緒に塩胡椒や焼き肉のタレとかで食べるのが一番おいしい組み合わせとのことだ。新富町に訪れてズッキーニを食べる時、お店で購入する時は、自分なりに黄金の組み合わせを見つけておいしく頂くことをオススメしたい。
おいいしいものをつくるにはどう食べるかについても考えることが大事なのだ。髙橋さんは、作物をつくる感覚を大切に、食べる人の気持ちにも沿いながら、時代をリードする革新的なおいしいものを作り続けている。