• 2019.11.30

児湯の味を支え続けて100年。徳山味噌醤油醸造所では4代目が伝統の醤油づくりに奮闘中!

新富町のふるさと納税返礼品にもなっている徳山みそ・しょうゆ醸造場 3種の醤油3個(こいくち醤油・うすくち醤油・さしみ醤油)セット。

醤油づくりにかける想いや特徴を100年以上の歴史を持つ徳山味噌醤油醸造所の4代目、徳山貴俊さんに話を伺いました。

いちから作る理由

徳山みそ・醤油醸造場の商品は原料となる大豆から仕入れて醸造をおこなっています。麹を仕入れて醸造をおこなう同業者もいる中、原料からおこなうこだわりについて伺うと、

麹は地域によって菌の種類が異なり、それぞれ味に特徴があります。
これまで地域の方に親しまれてきた弊社の味を守るためには、1から醸造する必要があるのです。

醤油は麹で味が決まると言っても良いほど。
麹を仕入れることで、設備は今の半分くらいでも大丈夫だと思いますが、せっかく先代達が守ってくれた蔵があるので、これからも守っていきたいです。

我が子のように愛情かける

麹を自ら作らなくなっている理由について伺うと、

設備投資の面ももちろんあると思いますが、とても手間がかかるということも理由の1つだと思います。
麹を作る製麴(せいきく)と呼ばれる工程は、25℃以上40℃以下の中で約45時間管理しないといけません。

この期間は気が気じゃなくて、子供の出産に立ち会うくらい神経を張っています。
納得できる麹ができないときは、すべて廃棄して最初からやり直し。
それくらい、ウチの醤油にとって大事な工程なのです。

取材当日は、その重要な製麴工程の真っ最中で、中を見せていただくことができました。
部屋に入ると、湿度が高く一瞬で手にしていたカメラのレンズが曇るほど。
麹を手にすると菌が舞い上がり、独特の甘い香りが広がります。

製麴の工程は、気温が適している2月下旬から6月と10月から11月におこなわれます。1回の仕入れで原料を2.4トン、水や塩を足すなどすると最終的に7.5トンほどになります。

地元の方に愛され続ける醤油づくり

丹精込めて醸造された醤油の特徴を伺うと、

旨味がJAS規格の基準値を超えているのは大きな特徴だと思います。
宮崎ならではの少し甘めの醤油で、地元の方のお口にあった醤油づくりを大切にしています。

旨味成分が高いという点において、甘みを出すみりんなどの調味料も必要ない場合もあり、老舗うなぎ屋さんや焼肉屋さんなど多くの飲食店にもご愛用いただいています。

では、宮崎県内の醤油は全域的に同じような味なのだろうか?

宮崎県は全体的に甘めという特徴がありますが、エリアによって味が異なります。
ウチの醤油は西都・児湯郡の人たちに古くからご利用いただいているので、これからも変わらない味を提供していきたいと思います。

これまで先人たちが守ってきた伝統の味を、4代目の貴俊さんが引き継ぎ、後世に伝えていくのです。