商店街を活性化、4時間かかっても出店したい「こゆ夜市」

宮崎県新富町で観光協会を解体し、設立された商社「一般財団法人こゆ地域づくり推進機構(略称:こゆ財団)」。

こゆ財団は、特産品の販売やふるさと納税で稼ぎ、教育に再投資している。様々なプロジェクトを行う中で、その中の1つが「こゆ朝市」。そして、昨年から夏の時期に、祭りの要素を取り入れた『こゆ夜市』を開催している。

2018年8月19日で4回目となる『こゆ夜市』は、集客はもちろん、出店者数が先月開催された時と比較して30%以上増えている。そんな、出店者が出店したくなる『こゆ夜市』の様子をレポートしたい。

こゆ朝市とこゆ夜市

新富町の商店街で毎月第3日曜日に開催される『こゆ朝市』。夏の暑い時期に企画されたのが『こゆ夜市』である。この夜市には、朝市も含め毎回出店している業者さんや学生さん、こゆ財団のメンバーの姿が見受けられる。

夜市に出店するにあたり、今回2回目の参加となる大学生チームにお話を伺った

今までは朝市で地元の果物で作ったジャムを販売して、そこそこ収益が出ていました。しかし、前回の夜市で朝市と同じように出店しても売り上げが伸びず、夜市のニーズに自分たちのやり方があっていないと考え、試行錯誤しました。

今回は、輪投げとジャムを組み合わせて収益が出るよう頑張ってみます。

出店者も、小さな商店街に300人以上集まるイベントなだけあり、売り上げを上げるため、ニーズにあった出店方法や出店物を模索している。

4時間かかっても出店したい『こゆ夜市』

こゆ朝市・こゆ夜市担当の鈴木さん

『こゆ朝市・こゆ夜市』の担当を務める鈴木慎吾さんに、今回の出店者数についてお話を伺った。

先月の夜市が30店で、今回は40店。どんどん出店者数も増えて盛り上げりをみせています。地元新富町の方はもちろん、遠方の方ですと北九州から出店されている方もいらっしゃいますよ。

宮崎県新富町から福岡県北九州市というと、高速道路を利用しても車で4時間程度。そこまでして出店する理由についてお聞きした。

Facebookでこのイベントを知って出店希望したのですが、小さな商店街にこれだけの人が集まるイベントは珍しいです。朝市に出店した際には、うどんを販売していたのですが、夜ということもあるのでお酒に合う手羽先やかき氷など、お祭り仕様にしています。

移動時間を考えても十分に参加するべきイベントだと思いますよ。もちろん次回も参加する予定です。

運営側が頭を下げて出店者を募るのではなく、出店者が自ら出店を申し出るイベントが新富町の商店街で開催されている。

『こゆ夜市』で『こゆ朝市』をもっと盛り上げる

『こゆ夜市』を開催することになった経緯について鈴木さんは、次のように語る。

日中にイベントを開催すると、夏場の時期は暑くてお客さんも腰が重いんじゃないかと思ったのです。それなら夜やってみようと始めたのが『こゆ夜市』。

夜のイベントなので、少しお祭りの要素を取り入れステージイベントなどを企画していますが、あくまで「こゆ朝市」が大前提です。決してお祭りではなく、『こゆ朝市』への導線が『こゆ夜市』。

「『こゆ夜市』が楽しかったから、『こゆ朝市』にも行ってみようかな」という人をターゲットにして開催しています。

子供たちが胸を張って自慢できる地域

この『こゆ朝市(こゆ夜市)』を始めた当初の目的について鈴木さんにお話を伺った。

僕が小さい時、「新富町には何があるの?」という県内外の人からの質問に、「・・・航空自衛隊くらいかな。」としか答えられなかったのです。そんな故郷、地域って寂しいじゃないですか。

だから、子供達が大人になった時に、「新富町には『こゆ朝市』っていう面白いイベントがあるよ」と、言ってもらえるイベントになってくれると嬉しいなと思って始めました。

地域がつくっていくイベント

40を超える露店と、ダンスや和太鼓などが披露されるステージイベント。本部席では、抽選券を手に行列ができており、活気に溢れた商店街。今回も大反響の『こゆ夜市』であった。

これからの『こゆ夜市(朝市)』のあり方について鈴木さんは、次のように語る。

今現在は私など、こゆ財団のメンバーが中心となって準備など運営をおこなっています。毎月のことなので正直大変ですが、商店街活性化のために続けていく必要があると頑張っています。

これからは、少しずつ地域の方に「私たちの朝市(夜市)」という認識を持っていただき、財団と地域の方が協力して、それぞれが自主的に開催できるようなイベントになってくれるのが僕の夢です。

商店街から、地域全体を徐々に取り込んでいる『こゆ夜市(朝市)』。地域の方が、毎週第3日曜日は当たり前のように商店街に出向く習慣ができつつある新富町。

商店街の活性化と同時に、子供達が誇れる町へと成長していく。この小さな商店街を中心として、地方がもっと面白くなる。

次回は、2018年9月16日(日)18時~21時。さらなる楽しい企画を計画中です。