• 2018.04.30

全国の受講生が教えてくれた「新富町の知られざる魅力」

2018年1月から3月まで、宮崎県新富町を舞台に開催した「地域を編集する学校」。ライターや編集者としてのスキルを身につけ、地域の魅力を広く発信したいという熱意あふれる受講生たちが、新富町に通ってくれました。

受講生は宮崎県内はもとより、九州は沖縄を除く全県、四国からは愛媛、中国からは広島、さらには神奈川、東京、埼玉といった関東圏からも集まってくれました。応募総数も100に迫る状況。20数人という人数限定の講座のため、精査に精査を重ねたのはいうまでもありません。大半が県外からの応募で、受講に必要な交通費はもちろん実費。それでも熱意ある宣言文とともに応募してくれた方は本当に多かったです。

熱量のある受講生たちは、最終講座となったプレゼンテーション(テーマ「私が見つけた新富町の魅力」)で、さまざまな新富町の魅力を教えてくれました。ここでは受講生が書いてくれた中から主な記事をダイジェストで紹介します。

 

【記事】「気持ちいい古墳!? 百足塚古墳のここがスゴい!」

国指定史跡「新田原古墳群」の中にある百足塚(むかでづか)古墳について取材してくれた記事。この中で一番驚かされるのは、新富町という小さな町で超レアな人型埴輪「踊る女性」が出土していたという事実でした。

実は東京の博物館からもレンタルの要請があるほどの人気っぷり。この形状にまつわるエピソードが神話にも残っているそうです。聞けば、天岩戸(あまのいわと)にお隠れになったアマテラスオオミカミを誘い出そうと、神がかりして服(今でいうスカート)までたくしあげて舞いを舞っているアメノウズメノミコトをかたどったものとのこと。

服をたくしあげたおかげで、アメノウズメノミコトはあられもない姿で埴輪になってしまっています(画像はこちらを参照)が、とにかくそんなレアな埴輪が出土している古墳がこのまちにあること、それが農地の風景と一体化して独特の景観をつくっていること、そもそもまだ知られていないことを、この記事が教えてくれたのであります。

 

「新富町でソバを作りつづけている農家さんのお話」

実は、宮崎県民はうどんだけでなくソバにも愛情が深いのをご存知でしたか? 特に新富町は南九州では数少ないソバの生産地で、町内には地元のソバを使って営まれているソバ店もあり、連日にぎわっています。宮崎の麺というと多くは「釜揚げうどん」か「宮崎ラーメン」あるいは「辛麺」となりますが、新富町の場合はそこが「ソバ」ということになります。

受講生が追ってくれたのは、明治から続くソバ農家。記事ではどんな思いでソバ農家さんがソバを作り続けているのかがよくわかります。

 

「Cafe Kiitos」のあるまち

制作記事数は1本でOKといっていたのにもかかわらず、その有り余る熱量で記事作成に取り組んでくれた受講生による渾身の4連作。取材先である「カフェキートス」のオーナー・緒方イスエさんの人となりやカフェ経営に対する思い、ママとしてどう仕事と向き合っているか…など、本当にたくさんの気づきのある記事を作ってくれました。

プレゼンではこの「カフェキートス」を題材にしたムービーを流すなど、手法も変化が豊富。これからはこの「カフェキートス」の魅力をひとつにまとめあげるメディアを作りたい!として、「地域を編集する学校」の同窓有志に声をかけ、リトルプレス作りに取り組むそうです。

 

さて、前回の講座では20人以上の受講生がさまざまな切り口で記事を書いてくれました。共通している新富町の魅力は「未開拓であること」。お店、経営者、メニュー、その背景にある物語を含めて、新富町ではまだやれていないことが山ほどあります。そう、未開拓なんです。

例えば、ふるさと納税。

町の野菜や果物といった特産品を全国にリリースしている新富町。ありがたいことに平成28年度(4億)から平成29年度(9億3,000万円)と、ご寄付いただいた金額がおよそ2倍に伸びました。

これはひとえに素晴らしい農産物を作っていただいている農家さんのおかげです。でもその魅力はまだまだ伝わっていない。実はオランダで勉強したノウハウを生かしてトマトをつくっていたり、ITを駆使しておいしいピーマンを生産し、収量もあげている農家さんがいます。ほかにも、年中果物が食べられたり、おいしい鶏肉があったりなど、ネタはとにかく豊富です。

2018年6月2日から「地域を編集する学校」第2期を開校します。果たしてどんな切り口を新富町にもたらしてくれるのか。現在受講生応募中!

「地域を編集する学校」第2期