町への愛着を生み出す仕組み:宮崎県新富町でできる多様な働き方「Team WAA!」
「Team WAA!(Work from Anywhere and Anytime)」
誰もがいきいきと自分らしく働き、豊かな人生を送れるような「新しい働き方」に共感し、実現していこうとする企業・団体・個人のネットワーク。
10月20日・21日に宮崎県新富町を訪れ、現地でできる多様な働き方について実証実験を行ったレポートを共有します。
迷いの中「何かある」と直感的に感じ新富町行きを決意!
こゆ財団の研究生に選ばれたとき「嬉しい!」という気持ちよりも、「どうしよう・・・」という思いの方が実は、強かった。自分の意思でエントリーしたにも関わらず、初日には応募当初より予定が入っており、更に2日目には、パートさんとのランチ懇親会が予定されており、メールが届く直前に日程確定の連絡をしたばかりだったからだ。
1日だけならまだしも、2日とも予定が入ってしまっている中で、新富町に行くのか、今回は縁がなかったと諦めるのか本当に悩んだ。
新富町での気づき
1.来てみたら宮崎は近かった!
来てみたら宮崎は近かった!それが、宮崎に到着して一番初めに感じたこと!私は、今回初めて宮崎に降り立ったが、ずっと「遠い」と思っていた宮崎が思っていたよりも遥かに近いことに驚いた。羽田から飛行機で1時間半。以前の私の通勤時間は2時間だったので、それよりも短い時間で宮崎まで到着することができた。
2.百聞は一見にしかず!とはまさにこの事
2つ目に感じたことは、「現地現物」の重要性。
「百聞は一見にしかず・・」まさにその通りだと感じた。どれだけ事前に情報を調べても、肌で感じ、実際に触れ、そして地元の方との会話から得られた情報には叶わない。
事前にアイデアを考えたときと、現地に触れてからは頭の回転のしかたが“ケタ違いに違う”ことに驚いた。アイデアがあふれ出てくるとはまさにこの事か!と思うほどだった。
そして、私たち3人は、帰りの飛行機の中で止まることなく、東京に到着するまで「新富町で何ができるか」を話し続けた。ちなみに、余談ですが、私たち3人は、行きの飛行機ではお互いが隣に座っていたことにも気づかないほどの間柄だった(笑)。
3.新富町はリアルにチャレンジできるフィールドがある!
3つ目に感じたことは、新富町なら本当にチャレンジができるフィールドがあること。新富町に来て、現地を感じ、「ここでなら本当にチャレンジができる!」と感じた。
「チャレンジできる環境があります!」と、様々な場面で耳にします。私自身も採用に携わる中で伝えてきた。しかし、それは「いずれできる可能性がある・・」であり、「すぐにできる」ことはほとんどなかったように思う。
しかし、新富町には、実際にチャレンジしている事例がたくさんあり、「日本一チャレンジできる町」であることにも納得した。そして、私でも「何かチャレンジできるんじゃないか!」「チャレンジしてみたい!」と、本気で感じることができた。
TeamWAA!が新富町でできること
新富町に来てもらわなければコトは始まらない・・・。
現地現物の重要性に気付くとともに、「新富町に来てもらわなければコトは始まらない・・」という大きな課題に気づいた。思ったよりも近いとはいえ、飛行機に乗るハードルが高いことには変わりはない。
「来たらわかる!でも、来ないとわからない・・」この課題解決こそが「TeamWAA!」でできることではないかと思う。
多様性を活かし、“縁”や“新富町に対する愛着”を作り出す
私たちができること、すべきことは、「新富町で何かをする事」ではなく、「東京でできること」を考えること。そして、今からでもできることは、新富町で感じたことを伝え、新富町に「いってみる」人を増やすこと。
さらに、新富町を訪れた人が、また別の人に伝える・・・そんな、サイクルを生み出す仕組みをTeamWAA!で作っていきたい。
ただの旅行で来ただけでは、その土地に対して強い愛着や縁を感じることは難しいかもしれない。しかし、何らかの課題意識を持ち、その土地に注目して現地を見てみると見方が変わってくる。私自身、もともとはふるさと納税をしたことがあるだけの“ゆるい縁”だったが、研究生として2日間過ごした今では、新富町に対して“強い縁”と“愛着”を感じている。
そんな“縁”を作る仕組みを作ることが多様な人材が集まっているTeamWAAでできることだと思う。そして、東京の「新富町」とも縁を繋いでみたい!
実現のための課題
実現に向けた課題は大きく分けて3つあると感じた。
1.飛行機に乗って新富町に“わざわざ”来る理由
先にも述べたが、時間的なハードルは下げることができるものの、コスト面を含め飛行機に乗るハードルの高さは残る。わざわざ新富町に来る意味づけ(魅力付け)が一番の課題になると感じた。
2.宿泊先の確保とその魅力付け
宿泊先に関しても数的な問題とともに、宿泊施設としての魅力も必要になってくる。もちろんTPOに合わせてとなるが、特に企業研修等を意識すると設備面の充実も必要な要素となってくる。
3.今ある町の魅力(良い意味での田舎感)とおしゃれ感の融合
駅舎や商店街の中で、おしゃれな施設(設備)と昔ながらの施設(設備)が、混在していることにアンバランス感を感じた。今後、新しい(おしゃれ)な施設も増えていくと思うが、エリア全体としての統一感や、バランスも大切になってくるのではないかと感じた。
最後に
新富町出身の若者が都市部で社会人としての素地や、ビジネス経験を一定期間積んだのち、チャレンジをしに地元に戻ってくる。そんな好循環を作ることができたら「日本一チャレンジできる町」として、地元の若者にとっても、都市部で働く人にとっても魅力的な町になるのではないかと感じた。