「地域を編集する学校・第二期」FINAL! 『月刊ソトコト』編集長・指出一正さんによる編集・文章講座開催
さあ、第二期生FINALだ!
地域の魅力を再発見し、編集することで新たな魅力を創出・発信! 今やその活動が全国で注目されている、宮崎県新富町の「一般財団法人こゆ地域づくり推進機構(略称:こゆ財団)」。
主催する「地域を編集する学校」も、第二期全5回のプログラムが8月18日(土)で最終回を迎えました。これまでの座学やワークショップ、取材の成果を発表するプレゼンテーションです。
審査員として参加したのは、新富町副町長の揖斐兼久氏、こゆ財団代表理事の齋藤潤一氏、そして、最終回の講師を務める指出一正さん。
最終回の講師は…ソトコト編集長・指出一正さん!
それにしてもこの講座は、一地方に居ながらにしてこんな話が聞けるの!? と、これまでもびっくりするような豪華講師陣が登壇。最終回は『月刊ソトコト』編集長・指出一正さんによる編集・文章講座で、受講生以外にも事前申込みのあった一般聴講生も参加。
文章がうまくなりたい、発信力を付けたい!
そんな意欲あふれる若い力が、新富町の“チャレンジ・フィールド”に集まりました。
大学生時代のアルバイトから数えると28年もの間、月刊誌編集に携わってきた指出さん。その豊富な経験の中から得た、「編集の視点」や「言葉のつむぎ方」を惜しみなく伝えてくれました。
受講生の心に刺さった、指出さんの想いとコトバ
受講生の多くは仕事をもつ社会人で、休日や空き時間を使って講座の課題に取り組んできました。そんな彼らだからこそ、指出さんの言葉に共感し、時にはっと気づき心が動かされたのではないでしょうか。
“地域を編集し、発信していく若いあなたたちへ。見せかけのグローバルはやめて、小さな視点で地域を見てみよう。解像度を上げることで、地域の豊かさに気付くから。”
“「関係人口」、「関係案内所」など、ソトコトから生まれた言葉は今、地方再生のキーワードとなった。新しい言葉を作ろう。自分たちの社会が前に進むために。”
“重いテーマを、痛快に伝える。ツラい局面を頑張っている人たちのカッコ良くオシャレな姿を、自分たちが好きな言葉や写真を使っておもしろく伝えることが大事。読者は興味を持って記事を読み、その結果届けたいメッセージが届けたい人に届くんだ。”
等々、指出さんの想いがあふれるメッセージを受け取った受講生たち。講座修了後の質問タイムには、多くの手があがりたくさんの質問が飛び交いました。
「リード文を書こう」
そして、指出さんからの最後の提案は、「リード文を書く練習をしよう」というもの。
リード文とは、記事の冒頭部分の文章のこと。
特集など記事の全体の方向性を伝えるものだけど、
指出さんいわく、
「全てを語ってはいけない。かくしながら、ぼやかしながら。でも核心に近いことを述べつつ読者の期待感を高めて、読ませることが大切です」。
指出さん自身の失敗例、成功例を一緒に見ながら、丁寧に教えてくれました。
「1日のできごとを140〜160文字程度にまとめる作業を続けると、きっと伝えることがうまくなるよ」。
指出さんから受講生へ、あたたかい最後のプレゼントとなりました。
最終プレゼンテーションへ
いよいよ、受講生たちによる成果発表会!
編集作業とプレゼンの練習を繰り返してきた受講生たちの、わくわくドキドキの時間です。1人もしくはペアの11組がスライドや動画、さらには小冊子など紙モノまで準備してのぞみました。
今回のミッションは、「生産者さんの想いを深掘りする」こと。
そして、新富町ふるさと納税の返礼品を生産する農家や事業所の魅力を伝えよう、というものです。
中には歌や試食でアピールしたりと、趣向を凝らしたプレゼンテーションの数々はどれも見ごたえ十分!
審査員を務める揖斐兼久副町長も、「新富町の魅力をこんなに伝えてくださってありがとう」と感動の表情でした。
そして、結果発表!
今回、最優秀賞を獲得したのは、「竹村ぶどう農園」のぶどうの魅力を伝えた野中千尋さん・広井亜香里さんペア! 取材時の感動や、ぶどうをほおばった時のおどろき・美味しさ、生産者とぶどうに対するリスペクトがあふれるプレゼンテーションに、一番多くの票が集まりました。手描きのやわらかなイラストも印象的でした。
受賞後、野中さんは喜びのあまり「腰が抜けそう」と苦笑い、広井さんは、「取材してぶどうの概念が変わった。共感してもらえてうれしいです」と笑顔でコメントしてくれました。
全てのプログラムが終わり、ほっとした表情の受講生たち。きっとこれからもつながって、助け合い、刺激し合っていくステキな仲間になるのでしょう。
講座修了。
さぁみんな、これからがスタートだ!
※ 受講生が取材・執筆した記事は「こゆメディア」で公開中。
https://koyu.media/