地方でできる企業研修の可能性:宮崎県新富町でできる多様な働き方「Team WAA!」
「Team WAA!(Work from Anywhere and Anytime)」
誰もがいきいきと自分らしく働き、豊かな人生を送れるような「新しい働き方」に共感し、実現していこうとする企業・団体・個人のネットワーク。
10月20日・21日に宮崎県新富町を訪れ、現地でできる多様な働き方について実証実験を行ったレポートを共有します。
「宮崎県新富町xTeam WAA 共同研究スタート記念企画」で、TeamWAA!の拠点・第一号として新富町が紹介された2017年3月、霞が関SENQで新富町の話を聞いて1年半でこれだけ進んだのかという驚きが隠せなかった。
サテライトオフィスとして、Workationの場として、すてきな環境、若くて元気の良いスタッフ・・・。今の職場環境とあまりに違う。「あー、こんなところで仕事ができると良いな」(でも無理だ)という発想しかなかった。もちろん共同研究員の募集も他人事。
しかし、それから数日後、いろいろなことがつながり道は開けた。私の抱える課題のヒントが新富町にあると確信して応募。他人事から自分事へ。そして、ありがたいことに本当に行けることになった。まずは、この企画してくださったユニリーバの島田由香さん、こゆ財団の齊藤潤一さん、そしてこの企画に関わった多くの方々には心より感謝の意を伝えたい。どうもありがとうございます。
安心・安全な町
思ったより
・都会(住宅やスーパーの多さ)
・よそ者に抵抗がない(気軽に話しかけられたり、話しかけても抵抗なく答えてくれたり)
・子どもが多い(子どもだけで遊びに出ている様子が多く見受けられた)
・若者も多い(移住者の多くは若者で活気があった)
総合交流センター「きらり」は衝撃だった。美しくやさしいデザインの図書館や埴輪など発掘物展示場の他、公共施設らしからぬカフェには、遊んでいる小学生、受験勉強の高校生、赤ちゃん連れの若いお母さん、おしゃべりを楽しむおばさまに、おばあちゃんグループと同じエリアに違う目的で集う人たちであふれていた。ソフト面で安心・安全な街だった。
感度が上がる
実は行きの飛行機で横並びだったことに気付かず、宮崎空港で挨拶を交わした私たちは、サイズ的にも、関心事にも共通点が多く、初っ端から意気投合。こゆ財団の皆さんがアレンジしてくださった見学スポットや児湯でチャレンジしている人からのインプットも刺激となり、2日間たっぷり知的興奮を楽しんだ。
初対面でも、良いメンバー、安心・安全な環境、明確な目的があると、短時間でここまで効率的にアウトプットが出せるのかと驚いた。頭でわかっていると思っていたことが、リアルに体験でき腹落ちする場所が新富町だと思う。この体験を通して、かなり「気づき」や「掛け合わせ」の感度が上がった。ここにいる人たちの感度がこちらの感度も上げる。これは、見える化しにくいけれども貴重な資源だと思う。
とにかく行ってみる
TeamWAA!ができることは、新富町と東京を「つなぐ」ことだと思う。
帰りの機上で「私たちここに来てなかったらこんな発想持てなかったよねぇ。」という話しになった。何か始めるにも、とにかくこの地を踏んでもらう仕組みを考えることが必要との結論に。実は飛行機で1時間半と近いのだが、行ったことがない人には心理的遠さは否めない。
今回は、企業研修を新富町でできないか?という課題をいただいた。TeamWAA!には人材育成に関わる人がたくさんいるので、例えば、関心のある人たちで実際に新富町に来て、企業研修の可能性を検討し、プログラムを作ってしまうとか。多様な企業の多様な人がいるTeamWAA!だからこそできるのではないかと思った。
3人で考えた「Challenge Road Project」については今後のTeamWAA!で紹介することになるかな?WAAチャリに乗ったChallengerがChallenge Roadを駆け抜け、新富町でいろいろなチャレンジをして、ちょっぴり自信を持って、また来るねと言って家路につく。そんなワクワクプロジェクトを考えた。私たちの小さなチャレンジだ。
宮崎県新富町の課題
新富町には宿泊施設が少ない。今回お世話になった「初音」は、海に近くとても良いロケーションだったが、定員に限りがある。今後、サッカースタジアムが建設されると宿泊施設が増えるのかもしれないが、アカウミガメが産卵にくる富田浜の砂浜の散歩が最高に気持ち良かったので、できれば海に歩いて行ける距離に宿泊施設が欲しい。そのようなこともあり、前述の「Challenge Road Project」では、キャンピングカーやコンテナハウスを提案した。大規模なリゾート開発ではなく、この街にあったサイズの宿泊施設があればと思う。
個人的には、開発が進んでも人の雰囲気や町の風景(田畑や海)はこのままであって欲しい。自衛隊関係者が異動で毎年2000人入れ替わる町。持続可能な街づくりを目指す、この心地よい環境で過ごした子どもたちは、きっと将来帰ってきてくれるだろう。
宮崎にはご縁がある。神話のふるさと宮崎が今回も私をよんでくれたのだと思った。