新富町で創業60年。やきとりと一品料理の老舗「ミッチー」
ミッチーのマスター・中村好一さんは、宮崎市内の割烹料理店で10年ほど修業した後、2代目として父である先代の後を継がれました。
創業以来、同じ場所で建て替えること3回、地元の新富町で暖簾を守り続けています。
今日は、ミッチーを裏で支えている奥様チエ子さんにお話をうかがいました。
「ミッチー」その名前の由来は?
従来の焼き鳥屋さんのイメージとは違う落ち着いた外観。
お店の玄関先には、きれいに整えられた円錐形の盛り塩が左右に置かれており、清々しくちょっと高級な雰囲気すら醸し出しています。
ミッチーは、日本の皇太子・明仁親王(当時)と正田美智子様のご成婚の年、昭和33年にOPEN。
お二人のご成婚は多くの国民に支持され、美智子様の愛称が「ミッチー」であったことから「ミッチー・ブーム」は社会現象になりました。このミッチー・ブームにのって先代がネーミングされたそうです。
「奥様がミチコさんなんですか?ってよく聞かれるんですよ」と苦笑するチエ子さん。
新鮮な地元の食材を使ってお客様のご要望に応えたい
養鶏が盛んな新富町。鶏はメーカーさんから直で仕入れています。
「素材はできる限り地元の新富産を使用していきたいんです」とチエ子さん。
ふぐ調理師免許も取得されているマスターは、さすが割烹料亭で修業を積んだだけあって、お客様のご要望で何でも作られるそう。マスターが鶏を捌くことも。
鶏を捌いた時にしか味わえない新鮮な「鳥刺し」「がんこ鶏」も是非、食していただきたい一品です。「がんこ鶏」とは手羽先を小刻みにした塩焼き。
歯ごたえがあり、噛めば噛むほど味がでるところからマスターが名付けました。人気の裏メニューです。
カウンター中央にあるホワイトボードには、その日にしか提供できない一品料理や新メニューも。
秘伝のタレで炊いた「ミッチーホルモン」は必食の一品!
焼き鳥と一品料理が並ぶメニューの一番最初に大きな文字で書かれたおすすめメニュー「ミッチーホルモン」。
鶏もも身、砂肝、レバーとお豆腐を秘伝のタレでじっくり煮込んだものです。
砂肝のコリコリ感、レバーの弾力の後の柔らかさ、口に入るたびに違う食感にワクワク感が湧いてきて、ついつい箸が進んでしまう一品。お酒のつまみにも、ご飯のおかずにもなる「ミッチーホルモン」お値段は、なんとリーズナブルな350円(1人前)!
ミッチーホルモンはお持ち帰りも可能です。
お土産や、飲み会の一品としてお持ち帰りされる方も。「夕飯のおかずの一品として、材料を生でお渡しして帰ってから煮込まれる方もいらっしゃるんですよ。でも一度食べられて煮込み具合を感じられてからがいいかな」。
メニューの中にあるホルモン丼は、実はこのミッチーホルモンを丼にしたもので、こちらも隠れた人気です。
焼き鳥を丁寧に焼きあげる姿を見ながら
宴会にも利用できる20〜30名様収容可能なお座敷の他に、6〜7名様の完全個室が1部屋、こちらはなんとも落ち着く空間です。
カウンター席は7席。
中でもマスターが焼き鳥を焼いている左端のカウンター席は、この場所指定で常連さんの予約が入るほど。「マスターとの会話を楽しみに来られるお客様もいらっしゃるんですよ」とチエ子さん。
「聞き役ですよ」と微笑むマスターは、一見頑固な板前風でありながら、温和で優しそうなお人柄が伝わってきます。
「年を重ね、体力的にお客様の期待に応えられるかという不安と、もっと頑張りたい気持ちに日々葛藤しています」
現在は、親子3代に渡る家族経営。仕事を持つ娘さんに手伝ってもらったり、忙しい時にはお孫さんにアルバイトをお願いし、営業されています。
「ミッチーを知ってもらいたいし、若い方にも来ていただきたい。皆さんの期待に応えられる様、もう少し頑張ろうかなと思っています」とチエ子さん。
今日もチエ子さんはお昼過ぎには愛情たっぷりのお料理の仕込みを始め、マスターは心を込めて鶏を焼きます。
温かい雰囲気に包まれた「ミッチー」。
マスターが心を込めて焼く焼き鳥と、オススメのミッチーホルモンを是非一度味わってみてください。