新富の爆音茶は深蒸しの旨茶!
ここで育つお茶は全て、爆音茶
「ここは、フェンスの向こうが滑走路になっていて、扉を閉めていてもかなり音がするんんですよ。平日は、扉を閉めていてもかなりの爆音がします。」
そう語るのは、新富町で150年の歴史を誇るお茶農家と店舗を経営していらっしゃる安積一仁さん。
「爆音を聞いているから、味がどうこうってことはないかもしれないけど、植物って、刺激や触れる事に影響されたりするって言うじゃないですか。
新富町で航空自衛隊はここだけ。爆音を聞いているだけあって、強く育っているような気がしますよ。うちで作るお茶は深蒸し茶。お茶のエスプレッソです。」
いただいた冷たいお茶は、抹茶のような緑色と、濃い味でありながら、さっぱりとした口当たりが特徴の美味しい深蒸し茶でした。
お茶の葉も冬眠!?一滴一滴を作り出す過程とは
「ここ数年感じている事は、地球温暖化。環境の変化がここ4、5年感じています。お茶っ葉も冬眠するんですよ。ただ、環境がおかしいので、春が短くてすぐ夏が来て、すぐ寒くなって。4月の初めから5月のゴールデンウィークまで、お茶を摘みます。
1番最初に摘むお茶は、1番茶。摘んでから40日くらいでまた芽が出るお茶は2番茶。その次に出るお茶は3番茶というんですよ。ただ、枝がどんどん弱くなり、3、4年するともうダメになってしまいますね。」
シーズン時には、6ヘクタールのお茶園を、1人で作業する事も多いそうです。幸い、工場がすぐ裏にあるので、作業にすぐに取り掛かれるのもメリットだと言います。
「忙しい時期は、お茶が痛まないように、1,300キロくらいのお茶っ葉を半日置いたりします。それを、夜中の2時や3時に起きて作業をしたりするのが大変ですかね。」
美味しいお茶の秘訣は、たゆまぬ努力の結果なのですね。
私で三代目。でも継ぐ気なんてなかった
「ずっと福岡で音楽をやっていました。レコード屋の店員もしたりしていました。28歳の時に父が仕事先で訪れていた嬉野で、倒れたと母親から電話がかかり、びっくりして帰って来ました。後を継ぐ気が全く無くて、このままどうなるんだろうかという気持ちでいました。」(笑)
安積さんは、三人兄弟の長男。福岡で生活をし、お茶園の跡を継ぐ気は、全くなかったそうです。
「決心して、福岡で好きな事をした生活を辞めて帰って来たら、父はぴんぴんしていたんですよ。」(笑)
帰ってきて、お父様に騙されたと感じたそうですが、お茶の知識を得る為に、北海道の親戚のお茶屋さんへ3年間修業されたそうです。
お茶屋を継ぎ、故郷宮崎での活動
「今は、ギターを趣味程度に弾いています。夢工房では、十五夜に合わせてお月見ジャズを予定しています。今回で3回目。宮崎市内に良い感じのお店があるんです。そこへ、酔っぱらうと夜な夜な行きたくなるんです。そこで知り合った人とジャズイベントをする事になって。‶ガーラム”というお店です。」
9月15日に、「夢工房」でお月見ジャズを開催するそう。
そして、ショップの広告にもなっているイラストについて伺いました。
「昔から絵を描く事が好きで、絵を書いてポップにしたりしています。昔音楽をやっていた時は、CDのジャケットを書いていました。先日は神奈川県の餃子専門店のお店のチラシを作りました。イラスト完成までは、23分くらいで書けるかな。いや、10分くらいかな。」(笑)
表情豊かでセンスのあるデザインを描き、店内のポップやチラシ、メニュー表を彩ります。
お茶屋を通して、その先に見えたもの
「隣に以前お店だった場所を、〝多目的空間いろり″という名前にし、お茶の教室や、ぬか漬け、味噌作りの教室をしています。そこで昔から、当たり前にあるんだけどもあんまり忘れて欲しくない大事な事を体験して欲しいと思っています。月に数回体験教室をしています。そうやって古きよきものを伝えていけたら良いですね。」
地域の方々が寄り添える居場所作りをしていきたいとおっしゃる安積さん。現代社会に足りない〝自分の居場所″の1つになればと活動中です。
和柄のこだわりパッケージ。進物用にいかがでしょうか
「九州のお茶というような値段設定をしています。玉露はここでは作れないから、九州の八女茶を使っています。」
パッケージは全て京都で作り、上品な和柄から高級感を感じさせます。和柄は、京都でしか作られないそうで、デザインセンスのある安積さんだからこその、こだわりを感じます。新富町のお茶と、九州は八女で作られた玉露のお茶のセットです。
進物用にも、ご自分用にも、新富の爆音を聞きながら育った深蒸し茶と、九州八女茶の飲み比べはいかがでしょうか。
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